ジェットの基礎知識 of VictorianJET

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ジェットって、どんなジュエリー?

流木の化石がルーツ

ジェットは、今から1億8000万年前、恐竜たちが地球の支配者だったジュラ紀の古代植物が流木となって水底に堆積し、長い時を経て化石化した、有機物を起源とする宝石です。同じ黒い宝石でも、鉱物であるオニキスが鋭利な光沢を帯びるのに対して、ジェットがしっとりした質感と深みのある艶を特長とするのは、こうした起源の違いによるものです。

「黒い琥珀」と呼ばれたジェット

00000018.jpgローマ時代に作られたメドゥーサの頭部を象ったペンダント20世紀初頭、顕微鏡によって、“年輪”が確認されるまで、ジェットは琥珀のように“樹脂の固まったもの”と考えられていました。
琥珀とジェットはどちらも大変軽く、木や絹の上でこすると静電気を帯びるという性質も同じことから、古代ローマ人は、ジェットを「黒い琥珀」と呼んでいました。
どちらも人工的に採掘できるようになるまで、主に海辺に打ち上げられたものを拾うといった方法で採取されていたのも、同一視された要因と考えられています。

ジェットの性質

ハードジェットとソフトジェット

00000029.jpgアンティークブローチ(19世紀イギリス)ジェットには「ハードジェット」と「ソフトジェット」の2種類があります。
この2種類のジェットの違いは、ハードジェットが粘りと弾力性をもち、精巧な加工に適しているのに対し、ソフトジェットはもろく、加工や熱に弱い点にあります。ソフトジェットは長い年月に耐えることなく壊れてしまうので、現存するジェットの遺物は、ハードジェットでできたものばかりです。

硬さは、琥珀や真珠とほぼ同じ・・・やわらかい

ジェットの硬度(モース硬度)は、2.5~4。これは琥珀(2~2.5)や真珠(3.5~4.5)とほぼ同等で、もっとも硬いダイヤモンドは硬度10です。

重さは、オニキスの半分以下・・・かるい

ジェットの大きな特長のひとつは、その「軽さ」です。比重で比べると、宝石でもっとも軽い「琥珀」の1.08に次ぐ1.33。ちなみにオニキスは2.61で、重さではジェットの倍以上となります。

組成・・・石炭の仲間

化学的分析によれば、ジェットは「瀝青炭(れきせいたん)」という炭素物質に分類され、燃やすと石炭特有の匂いを発します。

産地・・・イギリスから中国へ

miniaturefani.jpg中国産の現代ジェットで作られたミニチュア家具 イギリス、スペイン、フランス、ドイツ、トルコ、ポーランド、ロシア、中国、アメリカ……ジェットは世界中でみつかります。しかし、歴史的にも、良質なハードジェットがみつかることからも、もっとも重要な産地は、イギリス、ヨークシャーのウィットビー(Whitby)といえるでしょう。
しかし、19世紀末にウィットビーの鉱山は閉鎖され、ジェットの採掘は不可能となりました。近年、ウィットビー産とほぼ同質の良質なジェット原石が中国で発見されるまでの約100年間、ジェットが「幻の宝石」と呼ばれていたのは、このような理由によるものです。